レビュー

MSXのアクションゲームといえば
 dB‐SOFTのパズル要素を含んだアクションゲーム。
 dBの作るパズルゲームが他社のそれ(当時でいえばロードランナーや倉庫番、ザ・キャッスル等が挙げられる)と大きく異なっていた点は、アクション性の強さとキャラクター色だろう。dBといえば『フラッピー』だが、さらにアクション性とキャラクター色を濃くしたのが『らぷてっく』だ。ゲーム性は全く異なるが、方向性は等しい。
 本作が“2”と名付けられているのは、移植に際して大幅に変更が加えられたためだろう。MSX版のためにデザインされた「MSX面」は各誌や広告で取り上げられたので、知っている方も多いだろう。敵キャラの種類が減ってしまったのは残念。

 MSXの特色といえばスプライト機能で、その機能によってアクションゲームの開発に強いように思えるが、実際はそうではない。初期型MSXは同時16色発色可能にもかかわらず、横方向の画面表示に極めて弱かった。プログラマー泣かせだった弱点のひとつは、スプライトが横方向に最大4つまでしか正常に表示されないことだ。5つめを表示しようとするとそのうちの1つが画面に表示されなくなってしまう。これはアクションゲームにとってネックであった。シューティングゲームでキャラクターや弾が消える、悪くすると自機が消えてしまう。それでも各社は努力してアクションゲームを製作していたのだ。
 らぷてっく2では、ほとんどのキャラクターが2色表示(スプライト2個使用)である。つまり、2体のキャラクターが並ぶイコール4つのスプライトが並んでいることになり、3体目のキャラクターが並ぶと、そのうちの1体が消えてしまうことになった。このゲームのようにキャラ同士が頻繁に横並びするタイプのゲームでは、プログラマーは本当につらかったことだろう。かといってそれに変わる機能もない(別の手段もあるが、新たな問題を抱える)し、他のスプライト機能を持たないPCから見れば、それはそれで魅力的な機能だったのだ。

あのトキの表情・・・?
 ゲームの話に戻る。『らぷてっく2』はパズルゲームに分類されているが、むしろアクションゲームの部類に入る。パズルゲームとしての要素は3点。ボックスを開ける順番が定められていて頭を使わなければクリアできないこと、敵のアルゴリズムがほぼ定まっていて計算できること、敵を利用しなければクリアできない面がいくつかあること、である。それも極端に頭を使うものではない。いくつかの面のハマリにさえ気をつければなんとかなる程度である。
 このゲームの目玉は、多様で表情に富んだ敵キャラクターたちと、マイキャラであるビッキーの多彩な死に様だ(笑)。
 例えば1面から登場する敵キャラのパックン。ビッキーは隣接すると一口で飲み込まれてしまうのだが、飲み込まれるビッキーの悲壮感に対してパックンは悦楽至極という表情を見せてくれる。ある意味ではとんでもない残酷表現なのだが、いちいち笑える。個人的なやられ方No.1は、6面あたりから出現する雪マーク(スノー)に触れて凍りついたビッキー。ご覧あれ。
 800円とEGG中では高価なソフトなので、購入する方も少ないだろうが、機会があったらやってみて欲しい。

 なお、筆者は元祖らぷてっくは未プレイです。あしからず。

 ※マニュアル補足
 「Page Up」・・・ギブアップ(1人減で面の最初から)
 …「面クリアできないのに、わざとやられることもできない状態」というハマリ状態がいくつかある。テキストマニュアルでは触れられていないのだが、MSX版にはあったはずの機能(breakキーだったかな?)なので、いろいろ試してみたらありました。この機能がないと、ハマリ状態でリセット(リスタート)しなければならず、コンティニューのデータが消えてしまうのです。使ってください。


              
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