レビュー

マイクロキャビン流アニマルAVG最終形
 「は〜りぃふぉっくす」の流れをくむ動物系AVG。
 「不思議の国のアリス」や「冒険者たち〜ガンバの大冒険」を彷彿とさせる世界設定。好きな人にはたまらないかも。
 美しいグラフィックスやBGMにアニメーション。演出面にはこだわりを感じさせ、技術は当時としては高度な範疇に達している。演出過剰で冗長な(かったるい)面も多々あるが、現在流行のゲームに繋がるところも多大。

 演出面にかなりの力が裂かれている反動なのか、シナリオは、まとまっているがありきたり。世界設定は、過去のファンタジー名作群を参考としており、転じてオリジナリティに欠ける。安心してプレイできるというべきか、セオリーどおりというべきか。
 謎解きもフラグ立てに終始する個所が多く、コマンド総当りをしなければ先へ進めないかもしれない。選択式AVGの難易度を高めるために多く取り入れられていた手法だが、この作品の「かわいい」イメージならば、もっとスマートにしてもよかったのではなかろうか。意地悪なゲームオーバーやハマリがないのが救い。
 そして、可愛いキャラクターに反して、冒険の道程は意外なほど血なまぐさい。好みの別れるところだろう。
 以上のことから、実はこども向けのゲームとは言い難い。ハリーポッターに熱中してしまうような、こどもの心を持った大人向けゲームなのかもしれない。

 とはいえ8ビット機の円熟期に生み出された作品である。完成度という観点では、決して低くはない。充分なほどのオススメソフトなのだ。

 この後、マイクロキャビンはオリジナルAVG路線を外れ、アニメ原作のAVGに傾向することになる。



以下ネタバレ注意
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